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札幌手稲ポプラの丘
法律事務所
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介護事業者のためのトラブル解決サポート

職員の金銭トラブル・横領疑惑

初動を誤ると、会社が“加害者”として炎上します。弁護士が整理します

⚠️ 「疑惑の段階」での一言が、会社の命運を左右します

訪問介護等の現場において、「財布がなくなった」「お釣りが合わない」という金銭トラブルの訴えは頻発します。この時、事実が不透明な段階で「うちの職員は絶対にやっていない」と断言したり、逆に家族の剣幕に押されて「会社で全額弁償します」と安易に約束してしまうことは、どちらも極めて危険です。
初期対応を誤れば、民事上の賠償責任、刑事事件への波及、行政・指定権者からの監査、そして深刻な風評被害や労務トラブル(不当解雇)へと連鎖的に発展します。会社を守るためには、「客観的証拠に基づいた冷静な初動」が不可欠です。

やってはいけない「NG初動」
その場で職員に自白を強要したり、録音して密室で追い込む
家族からのクレームに対し、事実確認前に「全額弁償します」と約束する
事実が未確定の段階で「〇〇職員による盗難が発生しました」と社内通達を出す
当日のシフト表、訪問記録、買物代行の領収書などの客観的記録を散逸させる・上書きする
警察の介入時、管理者と現場職員で矛盾した説明をしてしまう
疑わしいからといって、就業規則の懲戒手続を踏まずに即時解雇する(不当解雇リスク)

これらはすべて、後々の交渉や裁判で会社を極めて不利な立場に追い込む「自爆行為」です。

1. よくある金銭トラブル・横領疑惑の類型

「財布がない」と言われたら
利用者や家族から「ヘルパーが帰った後に財布がなくなった」と訴えられるケースです。本当に盗難なのか、利用者の認知機能の低下(物忘れ)なのか、あるいは家族内での持ち出しなど第三者の可能性があるのか、初期段階では判断がつきません。安易な謝罪は禁物です。

預かり金・立替金・買物代行の金銭管理ミス
利用者の買い物代行時にお釣りを渡し忘れたり、レシートを紛失したりするケースです。事業所としてのルールが曖昧なために「横領疑惑」へと発展しやすく、家族との信頼関係を一瞬で破壊します。

キャッシュカード・暗証番号・通帳の取り扱い
「ついでにお金を下ろしてきて」と頼まれ、職員が好意で暗証番号を聞いてしまうケースは事故の温床です。属人的な対応は極めて危険であり、トラブル発生時に身の潔白を証明することが困難になります。

背景に潜むリスクと構造

  • 訪問先での窃盗・貴重品紛失の疑い: 密室での出来事であり、客観的な証拠(防犯カメラ等)が乏しいため、言った言わないの泥沼化しやすく、ネットやご近所で炎上しやすい特徴があります。
  • 職員の借金等が背景にあるケース: 職員個人の経済状態の悪化が引き金となり、複数回にわたって少額の着服を繰り返すケースもあります。再発防止の観点からも、厳格な調査が必要です。

2. 会社が取るべき「初動の型」(チェックリスト)

疑惑が生じた直後から、以下の手順を迅速かつ冷静に進める必要があります。一人で抱え込まず、弁護士と連携して進めることが確実です。

  1. 事実確認の分担: 誰が利用者・家族への対応窓口となり、誰が当該職員へヒアリングを行うか、社内体制を明確にする。
  2. 記録の即時確保: 当該日時のシフト表、訪問介護記録、買物メモ、領収書、業務スマホの通話履歴など、客観的証拠を散逸前に保全する。
  3. 適切なヒアリングの実施: 職員への聴取は任意で行い、威圧的にならないよう注意する。本人の言い分(弁明)を正確にメモし、可能であれば複数名で同席する。
  4. 利用者・家族への説明の統一: 現時点での「確認できている事実」のみを伝え、推測に基づく発言や、責任を断定するような謝罪・約束は絶対に避ける。
  5. 警察への相談・被害届の判断: 事業所として被害届の提出をサポートするべきか、家族の判断に委ねるべきか、メリット・デメリットを整理して対応する。
  6. 行政への波及を想定した文書管理: 指定権者や監査部門へ報告すべき事象かを確認し、後日矛盾が生じないよう経過報告書を整える。
  7. 職員への処分検討: 事実が確認された場合、就業規則に照らして懲戒処分の相当性や適正な手続きの準備を進める。
  8. 風評・SNS対策: 対外的な説明窓口を一本化し、他の従業員に対してSNS等での不用意な発信を禁じる社内通達を出す。
  9. 再発防止策の策定: 預かり金ルールの厳格化、複数名でのダブルチェック体制の構築、記録テンプレートの見直しを速やかに行う。

3. 職員への解雇・懲戒処分における注意点

「疑わしいから明日から来なくていい(クビ)」は、法律上通用しません。
十分な証拠がないまま、あるいは適正な手続きを踏まずに懲戒解雇を強行すると、後に職員から「不当解雇」として労働審判や訴訟を起こされるリスクがあります。会社側が敗訴した場合、多額のバックペイ(解雇期間中の未払い賃金)や慰謝料を支払うことになり、事態がさらに悪化します。

適法な処分のための必須ポイント

  • 就業規則の根拠: 懲戒の事由となる条項が就業規則に明記され、かつ周知されているか。
  • 客観的証拠の積み上げ: 疑いではなく、本人の自認書や防犯カメラ映像、伝票の不整合など、客観的に証明できる証拠があるか。
  • 弁明機会の付与: 処分を決定する前に、必ず本人に言い分を述べる機会を与えたか。
  • 退職合意・示談の活用: 事案によっては、懲戒解雇という重い処分に固執せず、「退職合意書」を交わして自主退職を促す方が、紛争を早期かつ安全に解決できる場合があります(守秘義務や再発言防止、返金計画を含める)。

4. 被害回復(民事)と刑事事件化の“線引き”

横領や窃盗が事実であった場合、会社が利用者に立て替えて弁償した金銭などを、当該職員に請求(求償)することになります。

回収における注意点とリスク

  • 「刑事告訴で脅す」のはNG: 「警察に行かれたくなかったら全額払え」といった交渉は恐喝や強迫とみなされ、逆に会社が訴えられる恐れがあります。適法な交渉導線に整理することが重要です。
  • 給与からの天引きの罠: 労働基準法第24条(賃金全額払いの原則)により、会社が一方的に職員の給与から被害額を天引きすることは違法です。必ず本人の自由な意思に基づく「相殺合意書」等が必要です。
  • 返金合意書の作成: 口約束ではなく、法的効力のある返金合意書を作成し、現実的な分割払いの設定や、必要に応じて連帯保証人を立てるなどの措置を講じます。
  • 刑事告訴・被害届の使いどころ: 本人が頑なに事実を否認する場合や、被害額が多額で悪質な場合は、毅然として警察へ被害届を提出し、捜査機関に委ねる決断も必要です。

架空事例:初動対応で変わる結末

※以下はプライバシー等に配慮した架空事例(モデルケース)です。実在の人物・団体・事件とは関係ありません。
▼A:初動を誤り、傷口を広げたケース
Bad Case

A-1)全面弁償約束で炎上

状況
  • 家族から「財布から1万円消えた」とクレーム。管理者が焦って「会社で全額弁償します」と即答。
結果
  • 後日、「実は前にも時計が無くなった、それも弁償しろ」と要求がエスカレート。過大請求を受け泥沼化。
学び:事実未確定での安易な金銭約束は絶対に避ける。
Bad Case

A-2)証拠なしの即時解雇

状況
  • お釣りが合わないことが続き、特定の職員を疑い「明日から来なくていい」と口頭で即日解雇。
結果
  • 職員が弁護士を立て不当解雇で労働審判へ。証拠不十分で会社側が敗訴し、多額の解決金を支払う羽目に。
学び:適正な調査と懲戒手続を踏まない解雇は自爆行為。
Bad Case

A-3)矛盾した説明で監査へ

状況
  • 家族への説明で、管理者と現場職員の発言が食い違う。「あの職員は少し手癖が…」等の失言を録音される。
結果
  • 不信感を持った家族が役所へ通報。不適切な管理体制として行政監査が入り、指定取り消しの危機に。
学び:対外的な説明方針は一本化し、推測での発言は厳禁。
▼B:弁護士が介入し、適正に収束したケース
Good Case

B-1)記録の確保と冷静な調査

状況
  • 「お金がなくなった」との訴えに対し、弁護士の指示で即座に訪問記録とシフトを保全。
結果
  • 調査の結果、当該時間帯は別の家族が訪問していたことが判明。客観的記録に基づき説明し、利用者の勘違いとして沈静化。
学び:客観的な「記録」が会社と職員を守る最大の武器。
Good Case

B-2)合意退職と適法な返金

状況
  • 買物代金の着服疑惑。弁護士同席でヒアリングを実施し、本人が事実を認める自認書を作成。
結果
  • 不当解雇リスクを避け、自主退職の形での合意書を締結。適法な分割払いによる返金計画を確定させた。
学び:懲戒解雇にこだわらず、確実な被害回復と早期解決を優先。
Good Case

B-3)民事・刑事の整理

状況
  • 多額の横領が発覚し本人は否認。弁護士を通じて速やかに警察へ被害届を提出し、捜査機関と連携。
結果
  • 会社としての厳格な姿勢を示しつつ、社内の懲戒手続きは別途就業規則に則り粛々と進め、適正に処分を完了。
学び:悪質な事案は毅然と対応し、民事と刑事を切り分けて処理。

弁護士費用(金銭トラブル・不正調査対応)

※個別事情(事案の難易度・緊急度・対象人数等)により金額は増減する場合があります。
※代理人として受任する場合は別途委任契約が必要です。また、利益相反となる案件はお受けできません。

法律相談・調査支援サポート

相談料 30分 11,000円(税込)

※顧問契約前提の方は初回無料

初動助言 330,000円(税込)

事実整理・対外説明の線引き・社内ヒアリング設計など

内部調査支援 330,000円(税込)

ヒアリング同席・証拠整理・報告書骨子の作成など

処分・交渉・法的対応

懲戒処分・解雇手続 330,000円(税込)

就業規則の確認・弁明機会の付与・通知書作成など

被害者側との交渉 440,000円(税込)

利用者やご家族との示談交渉・説明対応

刑事対応 550,000円(税込)

被害届・告訴の相談、警察など捜査機関への対応

損害賠償請求 着手金 440,000円(税込)+ 報酬 17.6%

職員への回収・返金合意・民事訴訟対応

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